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逆さに田植えをして去った狐の妻

所在地愛知県豊川市一宮町(梵地が池)
年代伝承
登場成信、森目、成信と狐の妻の一人息子
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

宝飯郡一宮村の梵地が池のほとりに、成信という百姓が住んでいた。妻と一粒種の森目がいたが、妻は何年か前の夜に突然現れて結婚を申し込んだ女で、素性を成信は知らなかった。息子の病を夫婦で看病するうち、五月になっても成信の田だけが荒れていた。田植えの支度が整った翌朝、田に出ると一夜のうちに田植えが済んでいて、しかも苗は逆さに植えてある。帰ると、うたた寝する妻の夜具の裾から狐の尻尾が出ていた。妻は子を抱いて田へ飛び出し、世の中よかれ、わが子に食わせよと叫ぶと、夫に子を渡して黒雲を呼び、風とともに消えた。その風で葛の葉は裏を見せるようになり、成信の田は穂が出ず年貢を免れ、苞の中で実って大豊作だったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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