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病人の戸口に飛んだ瓢箪と笑う童子

所在地愛知県犬山市大字犬山鍛治屋町
年代明和(1764-1771)頃
登場包重、宮助
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

丹羽郡犬山町、いまの犬山市の鍛治屋町に、明和の頃、包重という者がいた。ある夜、外出のついでに、このところ病で寝ている友人の宮助を見舞うことにした。夜は更けていた。宮助の家の戸口が見えるあたりへ来たとき、何かが自分の体に触れながら飛んで行った。目を凝らして見ると、それは一つの瓢箪である。再び戸口へ目をやると、いつのまにか一人の童子が立っていて、包重を見てにやりと笑った。おのれ化け物だなと包重が刀の柄に手をかけると、童子はそのまま姿を消した。翌朝あらためて訪ねると、宮助の病はすっかり良くなっていた。包重は昨夜見た妖怪のことをとうとう宮助には洩らさず、不思議な事もあるものよと腹の中でつぶやいた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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