忌橋が転じた縁起の悪い犬橋
どんな伝承か
秩父市立第一小学校の正門の西に、犬橋という橋がある。秩父神社の森を南から北へ横切って流れる地蔵川が、大通りを越えて宮の側地区の下の段へ落ちる所に架かり、昔は水面から二、三メートルの高さがあったが、今は舗装されて面影はない。この橋は縁起が悪いとされ、婚礼や七五三の宮参りでは避けて回り道をしたという。かつてこのあたりは柞の森の北端の荒れ地で、近くに墓が多く、墓参りの人は橋を渡り川の水で手を清めてから墓へ向かったので忌橋と呼ばれ、それが犬橋に変わったという。はしかが治った子のはしか神も、この橋の下へ流したという。
原典より
秩父市立第一小学校の正門西に「犬橋」という橋があります。—— 秩父の伝説と方言 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秩父の伝説と方言
『秩父の伝説と方言』は、秩父市教育長鶴沢福松の序を付し、編集委員が執筆整理にあたって編んだ秩父地方の伝説と方言の集成である。秩父市と秩父郡に伝わる伝説を集め、武甲山麓のジジイ・ババア石、橋立鍾乳洞の悪龍、畠山重忠や坂上田村麻呂にまつわる話、伐ると祟る天狗松などを語り口調で記す。伝説は石・水・塚・屋敷跡・山と人物・地名・社寺および城跡・木に関する八つの部に分け、話によっては他地方の類話を注記する。