③ 湊新田の花火
どんな伝承か
湊新田では七月十四日に花火があり、悪い病が流行らないようにという言い伝えがある。ある年、警察が許可せず花火をやらなかったところ大おこりが流行し、許可しなかった巡査が真っ先に死んだという。神社でもらう笹に餅を付けたものは、炒って土瓶で煎じて飲むと熱病に効く。話者の家でも、はしかで咳が止まらない子に笹餅にキンカンと氷砂糖を入れて煎じて飲ませたところ、ぴたりと止まった。この花火は行徳駅近くの胡録神社で行われていたが、住宅が建て込んで危険になり一時中止となり、近年は駅前公園で催されている。
原典より
悪い病い、流行んないようにやるのよね。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。