大蛇に咬みついた首・猫の宮
どんな伝承か
高安部落に入る道路の右手に猫を祀った祠堂がある。昔、高安の庄屋の家ではどうしても猫が育たず、虎毛、熊毛、三毛と様々な猫を飼ってみたが、一年もすると行方知れずになった。困った夫婦は村の犬の宮に日参して丈夫な猫を授かるよう願い、満願の夕方、庭先に迷い込んだ白斑の子猫を授かりものとして大切に育てた。やがておかみが病み、猫は片時も傍を離れず、便所へ行くたび目を光らせて待つので気味悪く思われた。庄屋は妻の着物を着て便所へ行き、ついてきた猫の首を一打ちに斬り落とした。首は天井へ飛んで大蛇の鎌首に咬みつき、忠義を知った庄屋は悔いて手厚く弔い、永和二年に祠堂を建てた。
原典より
高安部落に入る道路の右手に猫を祭った祠堂があります。—— 高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編)
山形県東置賜郡高畠町(屋代・亀岡・和田・二井宿・糠野目・高安・露藤ほか各地区。一部は隣接の米沢市・南陽市宮内・長井市)に伝わる伝説を、神仏/人物/怪異/動物/什物/地物/地名/地誌 の八篇に分類して集成する。屋代神社の鬼女縁起、犬の宮・猫の宮、安久津八幡、狐狸むじなの化かし、天狗・怪物・沼の怪、青葉の笛や応挙の幽霊画、伊達・上杉の城館跡や古戦場、地名由来など、高畠の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地区つきで網羅する。