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籠の前で香をたいた泉岡の名主

所在地山形県東置賜郡高畠町大字泉岡
年代元禄二年(1689年)七月三日
登場佐藤十郎左工門、高梨利右エ門
出典高畠町伝説集

どんな伝承か

泉岡村の佐藤十郎左エ門は名主で学問もある沈着な人であった。屋代郷の直訴で名高い高梨利右エ門の親しい友で、二人は「もし自分が失敗したなら十郎左エ門こそ再訴する人だ」と語り合っていたという。利右エ門の直訴は取り上げられたが、当時の掟で彼は上杉家へ引き渡され、生まれた土地で殺される処成敗と決まった。元祿二年七月三日、唐丸籠に乗せられて東街道を護送され、泉岡へさしかかる。それを知った十郎左エ門は羽織袴で自家の前に机を出し、香をたいて待ち、籠の前に両手をついて「長々の御辛苦お察し申す。御本望の達せられたこと、お喜び申す」と述べた。やつれた利右エ門は「十郎左どの、御苦労であった」と返したという。

原典より

屋代郷の直訴で有名な高梨利右エ門の親しい友として泉岡村の十郎左工門は、名主として学問もあり沈着な人であった。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))

『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。

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