法泉寺幽霊の軸物
どんな伝承か
高畠町佐沢の法泉寺は亀岡大聖寺の末寺で真言宗、縁起では宝暦五年の再建という。この寺には応明の筆と伝わる幽霊の軸物が納められている。応挙が近江の宿で薄命の女の悲しい身の上を聞き、後日その姿が行燈の灯かげに現れたのを憐れんで描いた絵を、応明が模写したものだそうである。ある時、宿に困って一夜の宿を借りた旅人が、去り際に礼として一本の軸物を置いていった。家人が紐を解くと見るも凄惨な幽霊の絵で、驚いて他家へ譲ると、その家では一同がうなされて眠れない。次々と人手を渡った末、寺に納めるのがよかろうということになり、明治時代にこの法泉寺へ納まったと伝わる。
原典より
佐沢の法泉寺は亀岡大聖寺の末寺で真言宗であります。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。