金時のけ落とし石・手まり石
どんな伝承か
金太郎が育った猪鼻岳、いまの金時山には、その物語をしのばせる遺跡がいくつも残る。中腹の宿り石は直径十数メートルに及ぶ巨石で、片側の下が深くえぐれており、昭和の初めに割れて傾くまでは畳十枚を敷けるほどの広さがあった。この岩陰で金時と乳母が暮らしていたという。そこから山道を下ると大石の上に小さな社を載せた旧金時神社があり、さらに杉林の道を下ると金時のけ落とし石、続いて手まり石に行き当たる。手まりといっても直径五、六メートルもある大岩で、怪力の金太郎に託して人々が描いた途方もない姿を今に伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。