大水でも舟が流されない舟つなぎ石
どんな伝承か
苅屋原の七不思議の六つ目。千曲川の東の坂城と西の力石とは、舟で行き来していた。渡し舟は苅屋原に着くとそこにある大きな石につながれ、力石へ渡る人もこの石のところから乗った。近くの人が千曲川で釣りや網打ちをするときの舟もこの石につないだので、舟つなぎ石と呼ばれた。どんな大水のときでも、この石につないでおけば舟が流されることはなかったという。この石も信越線を敷くときに壊され、いまは跡形もない。
原典より
どんな大水のときもこの石につないでおけば流されることはなかった。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。