手拭をかぶって踊る猫と猫塚
どんな伝承か
三橋の老夫婦が三毛猫を飼っていた。使った覚えのない手拭がなぜか濡れているのを不審に思っていたある日、爺さんが熊谷への用向きで堤にさしかかると、猫たちが手拭をかぶって輪になり踊っている。その中に自分の家の猫がまじっており、手拭が濡れる訳がようやく知れた。腹を立てた爺さんは猫を殺してしまうが、以後、枕元に火の玉が転がるようになる。恐ろしくなって猫塚を建て手厚く供養したところ、火の玉は現れなくなったという。
原典より
ある日爺さんが、熊谷までの用事で熊谷堤にさしかかると、猫たちが手拭をかぶって踊っている。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。