宮良の二色人(ニイルビト)
どんな伝承か
石垣島宮良の村はずれ、道の右手の海辺に、わずかな森を背にした崖の岩屋ナピントゥがある。毎年六月の穂利祭の二日目、月のない夜の暮れ方に、赤又・黒又の二神がこの洞窟から現れ、村の家々を巡り歩いて明け方に洞へ帰る。村人は神の名を口にするのをはばかってニイルビトと呼ぶ。神は木を削った恐ろしい面をかぶり、茅や草の葉を身にまとい、各家で翌年の豊かさを告げる。家の主はひざまずいて一句ごとに応え、神の言葉と信じるので、その文句を村の外の者には決して教えないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。