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炭窯のまわりが黄金だった長者

所在地岩手県遠野市土淵町山口
年代不明(採集伝承)
登場鍛冶屋の女房、炭焼の主人、佐々木喜善、採集者
出典定本柳田国男集 第1巻

どんな伝承か

上閉伊郡六角牛山の山口で、物知りの老女が記憶していた炭焼長者の話。ある鍛冶屋の女房は物遣いが荒く、弟子たちにまで惜しげなく銭金を与えるので、夫は富貴になれぬと思い、三つになる男の子を添えて離別した。女房は道に迷って山に入り、炭窯の煙を見つけて炭焼小屋にたどり着き、泊めてもらう。翌日、女房が懐から出した金を主人は小石だと笑い、そんな物が宝なら自分の焼く炭窯のはたはみんな小判だと言う。行ってみると炭窯のまわりは黄金の山であった。女房はその金で木こりや職人を呼んで家倉を建てさせ、炭焼長者と呼ばれるようになった。落ちぶれた先夫はやがて長者の門に来て、そこの下男として一生を終えたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。

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