五月末に雪を分けて咲く一本の山桜
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どんな伝承か
我々の祖先がかつて南の海端に住みあまり、地続きなればこそ気軽な決意で、流れを伝い山坂を越えて、次第に北と東の平野に降りて来た最初には、同じ一つの島がこれほどまでに冬の長さを異にしていようとは予期しなかったに違いない。地味は豊かに肥え、労少なくして所得は元の地に優り、山野の楽しみも夏は故郷より多かったであろうが、秋が慌ただしく暮れ、春の来ることの遅いのには、しばらくの間は大きな迷惑をしたことと思う。十和田などは、著者が訪ねてみた五月末に、雪を分けてわずかに一本の山桜が咲こうとしていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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十和田市の伝承
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