桑ではなく竹で作るオシラガミ
どんな伝承か
盲目の按摩の孫は眼元の涼しい佳い児で、その名を「あきら」といった。あきらの母は声が太く嗄れた聡明な二十八、九の婦人で、大工の道具箱ほどの箱を紺麻の風呂敷に包んで持っていた。盛岡近辺のいたこはあの中にオシラサマという物を入れており、不思議な力があると話しかけると、按摩は少しせき込んで、オシラサマならこのあたりのおかみも皆所持しています、桑の木などで拵えるのは道の上から申して正しいものではありますまい、オシラは竹と決まったものです、と言った。桃生郡には竹のオシラガミがあるのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。