住吉社と間違えた鬼門よけの稲荷
どんな伝承か
広袴から五、六町下った打越という部落は、地図には住吉谷戸と記され、古くから能ヶ谷の小字だった。住吉社はすでに合祀されていたが、それを知らずに都筑郡の側から山路を越えてきた柳田は、民家の裏の岡に鳥居を見つけ、田を隔てて娘に尋ね、社と思い込んで入ろうとする。出てきた兄が、あれは我が家の神で鬼門よけの稲荷とこの辺では呼ぶ、住吉社はあの山だがもう合祀されたと告げた。驚いて引き返そうとすると、合祀社の氏子総代だという父親が縁先に腰を掛け、広袴の神明と不動堂の話まで語ってくれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。