木曾路名所図会に残る真澄の書入れ
どんな伝承か
能代の近藤八十二が発見したものに、その地に伝わる木曾路名所図会の書入れ本があった。同書巻三、寝覚の床の条に載る吉田植田義方の詩の欄外に、真澄の筆の跡が見られるという。三河国吉田駅の植田義方はもと賀茂真淵に学び、俗名を植田屋七三郎といって、自分が一度学びの親とした人であると記してある。植田義方が真澄の若い頃の師であったとすれば、その学問の系統は一端が明らかになる。この図会が刊行されたのは文化元年で、真澄が能代に滞留したのは享和元年の冬以来何度もあり、殊に文化の初年には頻々と来ていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。