寺の門外で小豆を洗う音
どんな伝承か
柳田国男は、小豆洗いの怪音を崩れ岸の地名の訛りで説明する説に反対し、各地の実例を並べている。土佐の例は西郊余翰の巻三、幡多郡中山田村の条にあり、この里の寺の門の外に赤小豆洗いという怪談があって、夜によっては小豆を炊ぐような音がして、しばらくすると止むという。土州淵岳志も、宿毛の中山田という所の寺の門外で、夜更けに小豆を洗う音が半時ほど続くと記す。柳田は、門の外というからには小さな溝や橋があったのではないかと推し量り、原因まで踏み込まなかった旧記を惜しんでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。