煙の中の恵比須大黒と狐のもさく
どんな伝承か
二本松市東新殿の釈迦堂の前でのこと。ニシンを買って帰る途中の者が一服しようと腰を下ろすと、立ちのぼる煙草の煙の中に恵比須と大黒の姿が浮かんだ。見とれているうちに、買ってきたニシンは消えていた。茂テ木というところにもさくという名の狐がいて、人を化かしてニシンを食べてしまったのだという。それからこの道を行く者は釈迦堂に狐の好む油揚げを供え、化かされないようにしたと伝えられる。田沢の桑原テウが語った話である。
原典より
昔、この地の人がニシンを買って帰る途中、東新殿の釈迦堂の前で休み、いっぷくつけていると、そのたばこの煙の中に恵比須様と大黒様が現れた。—— 岩代町史 第4巻(岩代町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
岩代町史 第4巻(岩代町)
『岩代町史 第4巻』は、岩代町の町史の一巻のうち、伝説を扱った第三節を収めたものである。片葉のヨシ、おつる池、鐙が淵のカッパ、座頭橋、狐狸と猫が踊った踊壇など、東新殿・田沢・西勝田・百目木ほか町内各地の地名の由来や、源義経・八幡太郎義家・伊達政宗にまつわる伝説を集める。冒頭で伝説の特色と三分類を述べ、続いて一話ごとに地区名を添えた小見出しを立て、話者名や『小浜町郷土読本』などの出典を記す。