おびしゃにふるまったドブロク
どんな伝承か
国分の石橋竹松が語る。ドブロクを造った桶が、まだ家に残っているという。農家の祝い事、とくにおびしゃの酒を清酒で買うのは大変なので、ドブロクを造って皆にふるまった。年中、検査がまわって来て、雨の降る日はとくに匂うのでやって来たが、おびしゃなどに使う分はやはり大目に見ていたのだろうという。語り手が学校に入ってからは造らなくなり、六つか七つまでのことだったと語る。
原典より
ドブロク、家にね、まだ作った桶あるよ。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。