胞衣焼場に乞食が住んだ乞食前
どんな伝承か
じゅん菜池の向こう、徳納寺の下のあたりにはかつて胞衣焼場があった。子供が生まれると臍の緒についてくる胞衣を家々から集めて歩く人がいて、集めた物をそこで焼いたのである。その焼場のそばに小さな小屋を建てて乞食が住みついていたといい、語り手は子供の頃に見に行って、また乞食が寝ていると言ったことがあるという。今は病院で処理するので無くなったが、少し寂しい場所で、今もそこには家が建っていない。この一画が乞食前と呼ばれる訳である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。