夕方に二頭分の荷を作った重右衛門
どんな伝承か
冬になると山の木を刈る。重右衛門は毎日弁当を持って山木刈りに通っていた。久兵衛さんが「じゅえむどん、山刈りにえらい通ったから刈れただろう。これから二匹の馬で刈った木を積むから、今日は丸めてくれ」と言った。重右衛門は「ハイ、そうですか」と返事だけして、一つも丸めずに見て遊んでいた。ところが夕方になって馬が来ると、刈っては丸め刈っては丸めして、常の人にはできない二匹の馬で運ぶだけの荷をこしらえてみせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。