重右衛門⑰ 米の飯の弁当(1)
どんな伝承か
奉公人が居つかない家があり、忙しくて皆途中で逃げてしまうのに、重右衛門だけは居留まったという。その家の婆さんは人使いが上手で、麦飯や粟飯の時代に重右衛門にだけ米の飯を炊いて弁当にしてやり、送り出すときに「重右衛門、米の飯の弁当なら、随分田んぼを耕えるだろ」と言った。重右衛門は黙って弁当を持ち、鎌の上にそれを縛りつけて田の畦で寝ていた。帰って問われると「耕うのは重右衛門で、米の飯の弁当は一つも耕わなかった」と答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。