重右衛門㉑ 証文の裏(2)
どんな伝承か
あるときじゅえむが仕事をしなかったので、「じゅえむどん、仕事をしねえんじゃ、しょうがねえ」と言うと、じゅえむは「証文の裏を見ろ」と言った。昔は奉公人を頼むとき奉公人の証文を交わした。その裏を見ると「東風吹かば、いやで候ふ。ならいの風は申すに及ばず」と書いてあった。ならいとは冬の強い風のことである。どちらかの風はたいてい吹いているので、久兵衛さんは何とも言えなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。