即興の句を重ねる宮久保の田植え踊り
どんな伝承か
宮久保に伝わる田植え踊りの唄である。「お前見たさに 田の畔通うよーホイ/草の露やら 涙やらよーホイ」に始まり、「来るか来るかと角に出て見れば/角のまさきの影ばかり」「裏の石橋 板ならよかろ/トンと踏んだら さとる」「お前見たさに 千里も通う/会わず帰れば また千里」「裏の窓から コンニャク玉投げて/今夜来るとの知らせ」「裏の窓から塩せんべい投げて/しょせんダメだとあきらめろ」と続く。最初の二つほどが標準で、あとは二番も三番もなく即興の作り唄として歌い継ぎ、盆踊りなどで楽しんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。