② 小正月の話
どんな伝承か
一月十四日の小正月には繭玉を作る。栗の枝で作るのは、繰回しがよくなるように、遣り繰りが上手にできるようにということらしいという。柳でやるところもあり、柳では木を削って花のようにした削りかけを作る。小豆がゆを作ってその削りかけを入れ、門松の松の一枝を取って田んぼへ行き、鍬でうなう真似をして白米を撒く。これを「おさんご」「おさんごの米」といった。苗代にする田んぼや畑、井戸、便所などにも立てた。繭玉は十五日に下ろして焼いて食べた。繭玉は新粉餅の団子で、後には餅米で餅にしたところもあるという。
原典より
一月十四日の小正月には、繭玉を作るんです。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。