③ おびしゃ
どんな伝承か
曽谷のおびしゃは二月一日、春日神社で行われる。曽谷は七つの島(部落)に分かれ、二部落ずつが一年間の当番として神社の清掃を受け持ち、年寄りが毎月晦日に籠って拝む際の接待も務めた。二月一日、当番を次の組へ申し送る日には神社で宴会を開き、昔は黒塗りの茶碗で小さい物から順に酒を三杯飲み干して引き継いだ。送る側も三杯飲むので、引き継ぐ人が下戸だと難儀したという。今はそうした馬鹿げたことはせず、茶飲み茶碗で少し飲んで済ませている。
原典より
曽谷のおびしゃは、二月一日、春日神社でやるんですよ。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。