② 浦安へ商いした話
どんな伝承か
行徳の古老が若い頃、大きな車を引いて行徳から浦安のほうへ薩摩芋や洗った里芋などを売りに行った話。芋は大きな俵に詰め、商売をしている店には俵ごと売り、俵を開けてばら売りもした。当時は目方で売るのではなく、熊手一杯いくらで売ったという。リヤカーはまだなく、樫の木で作った大八車という大きな車があり、車屋の「ボー屋」に頼むとちゃんと作ってくれた。今はもうやっておらず、田んぼに放り出してあると語る。
原典より
おら、若け頃、大けえ車ひいてね、行徳から浦安の方へ、いもなんか、大けえ俵に入れて売りにいったですよ。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。