東京の野菜市場の話 (2)
どんな伝承か
昔は野菜がこの辺では売れないので、皆東京や千住まで歩いて運んだ。車は手車で、今のような舗装ではなく砂利のがりがり道は悪く、履物は草鞋で足袋も無いから、雨が降ると滑ってひどかったという。東京では四目が一番近く、浜町へはたくさん行った。京橋の方まで手車を引いて行ったこともある。この辺の人はおおかた夜中に起きて出かけ、帰りは空車を引いてくるだけでも怠くて眠かった。戦時中は十時に起きて行かなければ遅くなるので、寝る間も無かった。自分ほど難儀した者はまずいないだろうと語る。
原典より
だって、昔の話は本当にうそのようだもの。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。