江戸川の花見舟と土手の喧嘩見物
どんな伝承か
江戸川の土手は桜の咲く頃がきれいだった。桜は向こう側、篠崎の方にうんとあった。語り手は子どもの頃、湊にあった渡し場から渡し舟で越えて、毎日のように見に行ったという。花見では女でも酒好きがいて、土手の上を転がり落ちたり喧嘩をしたりするので、花を見るよりそれが面白くて通った。桜の木は今はだいぶ切られて、こちらからは見えなくなった。王子製紙という紙会社の周りまでは景色がよかったという。川には舟を浮かべて紅白の幕を張り、三味線を弾き太鼓を叩く舟が何艘も続いて、花見の時はとてもきれいだったと語る。
原典より
3 江戸川の鯉釣り4 終戦直後の嫁入り道具5 船で嫁入り6 江戸川で洗濯7 ランプ8 関東大震災と朝鮮人9 関東大震災とアメリカの援助VII 現代若者の学校話下貝塚中学校同窓会—— 市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。