高滝の乙女
どんな伝承か
熊野で仏道修行中のまだ若い阿闍梨が、熊野詣に来ていた上総国高滝の地頭の娘を見初め、その面影が忘れられず修行の心を乱して上総を目指し下った。旅を重ねて鎌倉を過ぎ、六浦で渡し船を待つ間、安房上総の山々を望みながら渚の石に腰かけてまどろむと、夢の中で初めてこの世の欲界のはかなさを悟った。目覚めた阿闍梨は上総へは渡らず、そのまま熊野の霊社へ帰っていったと『沙石集』は伝える。
原典より
上総の高滝(市原市)の地頭力、ある年の春、熊野詣を思い立ち一人のみめよき娘と供人を少し連れて出かけた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。