姥ヶ池に集うヒキガエルの合戦
どんな伝承か
佐倉城内にまつわる伝承はさまざまあるが、『古今佐倉真佐子』には蛙合戦のことが書き留められている。場所は城内の姥ヶ池で、毎年春の三月末になると、数千匹のヒキガエルがこの池に集まった。蛙たちは左右の二手に分かれ、昼も夜も七日ほど入り乱れて食い合ったという。傷ついた蛙は元気な蛙に背負われて運ばれ、その間は池の水が泥水のように濁ったとも伝える。また、六里も七里も離れた遠くから集まってくるため、季節になると城の周りでは一匹の蛙も見えなくなるが、合戦が終わると各地で再び姿が見られたという。江戸時代のことで、この珍しい合戦を見物する人も多かった。
原典より
佐倉城内の伝承もいろいろあるが、『古今佐倉真佐子』に蛙合戦のことが記されている。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。