久賀村の田植えとお苗初めの習わし
どんな伝承か
香取郡久賀村ほかの農村では、四月にまずお苗初めをする。一坪に三本ずつ、合わせて九本だけ植えるので、これを三本植えといい、それを拾い植える。十日から十二三日たつと村の区長が触れを出す。植える日が二三日続くと太鼓を叩いて止めを触れ、大風雨で植えた苗が傷むようなときにも太鼓を叩く。男は苗取り・苗運びといい、女は植え手と呼ばれた。田植えじまいはお苗流しといい、餅を搗いて供える。のちに泥落としをし、田を綺麗に掃かないと器量のよい子ができぬといって女はよく掃いた。田植えの折に歌う歌には古雅なものが多い。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。