三峰様の祈禱で暴かれた盗み
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どんな伝承か
この地方で三峰様というのは狼の神のことで、旧仙台領の東磐井郡衣川村に祀られている。悪事や災難があって誰かの仕業と疑われるとき、この神の力を借りる。近親の者二人が衣川へ御神体を迎えに行き、道中は穢れを厳重に忌む。前年、栃内の和野の佐々木芳太郎という家で綿を盗まれ、村内の者かと疑って三峰様を頼み祈禱をした。夜、家じゅうの灯を消して奥座敷に神を据え、一人ずつ暗い間を通って拝みに行く。集まった中に初めから血色の悪い婦人がおり、その女だけ奥座敷へ行けず、強いられて立とうとして膝が震え、打ち倒れて血を吐いた。験は十分と言われ、女はその夜のうちに盗んだ物を差し出したという。
原典より
狼藪で狼の赤ちゃんを殺した人に狼が仕返しに来るちゅうて近所の人が守っているのにその人らを飛びこえて飛びついてきたていう話ある。—— 現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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