姥捨て山の石碑に写った老女
どんな伝承か
民話採訪に出かけた道筋に雑貨屋があり、小川の土手には苔むして字も読めない一メートルたらずの石碑と、抱えられるほどのくぼんだ石が置かれていた。同行者が写真に撮ると、六〇歳ぐらいの老女とそのひざもとに白い蛇が写っていた。石碑の中にきちんと座った姿で見えるといい、例会で見せるとたいていの人が見えると答えた。後で聞くと、石碑は隣接する村田町菅生に大きなレジャー施設ができた際、姥捨て山と呼ばれた山を整地して移したものの一つで、そばのくぼんだ石は姥の手掛け石と呼ばれていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。