荼毘の間だけ白髪になった遺影
どんな伝承か
昭和五七年八月三〇日の午前、三歳の友香ちゃんが町役場の患者輸送バスを降り、自宅の門へ入ろうとバスの直前を横切って飛び出し、追い越そうとしたダンプにはねられて即死した。葬式の日に霊前へ飾る写真を生前の中から選んで拡大したところ、頭の後ろにもう一人の頭の影が重なって写っていたので、気持ちが悪いと母親が破いて捨てた。別の写真を拡大して火葬場の祭壇に飾ったが、読経が終わって遺体に火がつくと写真の髪が次第に白く変わり、荼毘が終わるとまた元の黒髪に戻ったと、その時の職員が語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。