法事の写真に写った祖父母と子
どんな伝承か
楢山の南通りにあるS家は昔からの家で、信心深い者ばかりが暮らしている。屋敷には稲荷か何かの碑があり、毎日祈りを欠かさないという。その家で先祖供養の法事があり、遠方にいる者にも帰ってもらって、二十人ほどが寺に集まった。最後に仏壇の前へ並んで写真を撮ってくれと頼まれたので撮影し、早いほうがよかろうと焼き上がった写真を届けた。数日後、S氏から、君は霊を持っているのではないかと問われ、驚いて尋ねると、この写真には祖父母と亡くなった子供二人の四人が写っていると言われた。引き伸ばしてみたが、撮った本人には何も見えなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。