事故車の写真に写った運転者の顔
どんな伝承か
青森県東津軽郡平内町、中野字堤ヶ沢の国道四号線で起きたことである。平成二年八月一一日午前五時二〇分ごろ、三上昌子が運転する乗用車が、対向してきたセメント運送用の大型トラックに正面衝突した。乗用車の昌子と母の京子、後部座席の親類の鳴瀬ミツエの三人が相次いで死亡した。現場は見通しのよい緩いカーブで、乗用車がセンターラインを越えて突っ込んだという。ところが翌一二日の東奥日報に載った、めちゃめちゃに壊れた乗用車の写真のエンジン部分に、若い女性、すなわち昌子の顔が写っていて問題となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。