蝙蝠傘を囃されて斬首された砲兵
どんな伝承か
明治元年のこと。一人の砲兵が異国渡りの傘をさして神田筋を通った。雨が降っていたわけではなく、見せびらかすために広げて歩いたのである。これを見つけた町人たちが、異人が通る異人が通ると囃し立てて嘲笑った。腹を立てた砲兵は蝙蝠傘の先で、悪口を言った町人の横面を少しばかり突き破ってしまう。町人が溝口家の屯所へ駆け込んで訴え出ると、溝口の者はただちに砲兵を捕らえて首をはね、一両日のあいだ晒したという。
原典より
回答者・中村博(東京都在住)。—— 現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。