沼の底へ沈んだ洋裁の師の夢
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どんな伝承か
昭和四十二年のこと。尊敬していた洋裁の加藤先生が乳癌の手術をし、東京の聖路加病院から札幌の国立病院へ移られたと友人から聞いて二日目、語り手は三十八度の熱を出して苦しく寝込んでいた。すると大きな沼の底へどんどん吸い込まれて落ちていき、初めは暗かったのが一面明るくなって、加藤先生が白いベールに白い花束を手に持ち、ほほえんで現れた。「先生お元気になったのね」と尋ね、ふわりふわりと飛び回っているようだった。そのうち先生は急ににこにこしたまま底へ底へと引き込まれて消えてしまい、大声で呼んだら目が覚めた。その日、先生の訃報が入った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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