手向けを求めた戦死者の夢枕
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どんな伝承か
腕のたつ大工がいた。三十歳に近い年に召集され、妻を残して応召し、外地を転戦したのち、三十四歳に達した年に戦死した。悲報を受けた遺族は着類を求め、それを故人の骸として野辺の送りを済ませたという。やがて生活は安定したが、故人への手向けは次第に怠りがちとなって三十年目を迎えた。その年、妻の夢枕に死者が七日間にわたって現れ、手向けを怠り続けるならばどんな事業を営んでも成功しないと繰り返し告げた。三十三回目の命日に、縁者が集まって懇ろに法要を営んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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