宮のわらを牛に食われた稲荷の夢枕
どんな伝承か
群馬県勢多郡宮城村大前田では、屋敷神に稲荷を祀るのが普通で、毎年十二月に新しいわらで宮を作り替えてきた。稲荷の所のツバキの花を取ったために、おばあさんが祟られたという話がある。もう一つ、萩原長道さんの家では飼っていた牛が逃げ出し、稲荷の宮のわらを食べてしまった。するとおじいさんがひどい熱を出して寝込み、その夢枕に稲荷が恐ろしい姿で立って、今にも食いつきそうだったという。拝み屋に見てもらうと、やはり牛が宮のわらを食べたせいだと言われたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。