無尽講で人魚を食べた草生の娘
どんな伝承か
三重県安濃郡草生(現津市)の伝承によれば、この地こそ八百比丘尼の生まれ故郷だという。十七歳のとき無尽講に出かけて人魚の肉の饗応を受けて食べたところ、不老長生を得て常に十七歳の若さを保ち続けた。その後若狭国へ渡り八百年の長寿を保ったのち、再び草生郷へ帰って死んだと伝えられ、その記念として八百姫明神の塚が残されている。
原典より
何でも十七歳の時、無盡講に行つて、人魚の肉の饗(あへ)を享け、これを食べたところが、不老長生して常に十七歳の青春をうしなはず、…—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年))
『福井縣鄕土誌 民間傳承篇』は、福井市立実科高等女学校の郷土誌第二輯として教諭中塩清之助が編み、昭和十四年二月付の学校長金岡正孝の序を巻頭に置く。丹生郡の名、哭女、越前萬歳、仏の舞、幸若舞、猫塚、隠れ里、子育て幽霊、愛発の関、弁慶譚、八百比丘尼、水の神女譚を、古文献や他地方の類例と照らして論じる。生徒が集めた県下の昔話は類話をA・Bなどに分けて並べて解説を付し、校正者大村四朗の跋を添える。