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箒桜を伐り落ちた幹の下敷きで即死

所在地高知県高知市鏡吉原
年代昭和二三年頃
登場下本国重、伐採した男、回答者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

土佐郡鏡村吉原に伝わる話である。樹齢六、七十年、直径五十センチほどの桜の古木があり、根元から出た小生えの先が、竹箒を逆さに立てたような形になっていた。この地方ではそうした木を箒桜と呼び、伐ることを昔から忌んできた。ある人がこの木を伐ったところ、倒れた幹が何かのはずみで地面から一メートルほど浮いた。そこへ鋸を入れて九分九厘まで挽いたが、いつもなら落ちるはずの幹がどうしても落ちない。向こう側が切れていないのかと確かめるつもりで頭を差し入れた瞬間、幹はずしんと地に落ち、その人は下敷きになって即死した。後になって村の人々は、あれはてっきり箒桜の祟りだと噂し合ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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