東京競馬場魔のコーナーの欅と墓
どんな伝承か
東京競馬場には魔のコーナーと呼ばれる場所があるという。第三コーナーと第四コーナーのあいだあたりで、そこへ差しかかると先頭を走っていた馬の脚がぴたりと止まり、レースが荒れるのだそうだ。語り手が知人から聞いたところでは、その付近には数本のケヤキが立ち、木に守られるようにいくつかの墓がある。源平合戦のころのものらしい。競馬場を造るとき墓とケヤキを動かそうとしたが、子孫が刀を振りまわしたとも、木を伐ろうとした者が何人も続けて怪我をしたともいい、不吉な森として手つかずのまま残されているという。
原典より
---#### 話例・4 伝承に守られる昭和二〇年前後のこと。—— 現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。