チェーンソーが壊れて伐れぬ御神木
どんな伝承か
遺跡の発掘区域のうちに山の神の社があり、別の場所へ移転することになって、昨年の八月に移した。さらに、かたわらにあった御神木も邪魔になるというので切ることになった。この御神木というのが、見るからにちんけなクスノキで、切っても手間がかかるとは思えない木である。ところが、いざ切る段になってチェーンソーを動かそうとしても動かない。チェーンソーが壊れてしまって切ることができなくなるのだ。あれから半年以上たつのに、いまだに御神木だけが立っている。そばには、切ることができないのであとはよろしく、という地主が立てた無責任な看板が置いてある。御神木ともなればそれなりの霊力をもつのかと、今でも不思議に思えてくる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)