クリスマスツリーが校庭の登れる木に
どんな伝承か
昭和五〇年ごろの暮のこと。銀座松阪屋中央の吹きぬけになっている空間に、ケヤキの大木を使ったクリスマスツリーが置かれたことがある。八方に形よくのびた枝には白いペンキが吹きつけられ、何十ものあかりが点滅し、梢の先は八階まで届いていた。買物に訪れた目黒区の小学校の教頭は、行事がすんだらこの木はどうなるのかと心配になり、いらないのなら子どもたちにもらえないだろうかと事務所へとび込んだ。正月をすぎたころ、細い枝を切りはらったケヤキが小学校へ運ばれ、運動場の土に深く埋めこまれて、登ってもいい木となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)