千手だきで鎌首をあげていた大蛇
どんな伝承か
出島の魚売りが安原へ魚を売りに行くのに、紀三井寺の山を登って山越えし、一本松のあるところを通っていた。ある日、空の箱で千手だきというところまで来ると、人がいびきをかくような唸り声がする。誰か寝ているのかと思って行ってみると、大蛇が輪をかいて鎌首をあげていた。びっくりして後も見ずに逃げ、着物は破れ足は血だらけで、水を一杯飲んでやっと人心地がつき、見てきたことを話した。村の元気な者が一〇人ほど棒を持って退治に向かったが、道が狭くて一列にしか歩けず、先頭になる者がなく、六地蔵のところまで行ってとうとう逃げ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)