用水の蛇山、一匹一〇銭のマムシ捕り
どんな伝承か
語り手が小学校四、五年の頃、六郷用水の入りのあったところ、六郷神社の裏側に土を上げた小山があり、そこを蛇山といった。ヤマカガシ、青大将、マムシが無数にいて、遊びに行って駆け上がると、穴という穴から蛇がいっせいに首を出す。それが面白くてずいぶん通ったという。あるとき、マムシが肺病の薬になるというので、おばあさんに捕ってくれと頼まれた。六郷神社の竹で先を割ったはさみを作り、タコ糸で引く仕掛けにして、首を出したところを挟んで捕った。一匹一〇銭、端の家では二〇銭くれたこともある。おばあさんの持ってきた瓶に首を突っ込ませれば、尾を持つだけで必ず中へ入っていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。