消えた地蔵の首の行方
どんな伝承か
ある家で子どもが河童にさらわれて死んだので、地蔵を彫ってもらって供養した。ところが翌朝お参りに行くと、地蔵の首がなくなっていた。ひと月ほどして首は庄内で見つかり、取り戻してきたという。別の人によれば、地蔵の首が欠けているのは明治の廃仏毀釈の折に金槌で打ち壊されたからだとも言い、また地蔵の日に子どもたちが地蔵を洗う際、重くて取り落として壊したのだとも語られている。
原典より
ある家で、子供が河童にさろわれて死んださに、地蔵サマ彫ってもろて供養したてん。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。