盆の夜に安泰寺の松に揺れた火の玉
どんな伝承か
昔、語り手は火の玉を見たことがある。盆の八月十三日の夜、子どもと二人で寺参りに出かけて遅くなり、すっかり日が暮れてしまった。寺を出てふと気づくと、安泰寺の松の木の上に赤い玉がふわりと揺れていて驚いた。お盆だから誰かの魂が迷っているのだろうと思い、そちらを見ないようにして子の手を引き、家まで駆け戻ったという。
原典より
むかし、火の玉を見たことがある。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。